「言いたいこと」と「やりたいこと」と「分かりやすさ」と「想い」

 

先日ドラムの記事に言及したところ、思わぬ反響をいただいた。ブコメも概ね良い反応だったので、書いてよかったなと思っている。

この時、自分は何を考えて・どうしたくて・どう書いたかを再度追いかけてみようと思う。ネタばらしみたいになってしまうけれど、今後自分が何かを書くときに気を付けなきゃいけないなと思うことや、もっと伝えることを考えるためにその証跡として。

書き始めるまで

きっかけは元記事でも書いてある通りBUMP OF CHICKENのドラムに言及しているものだった。件の記事を読んだ印象は一言で言うと「残念だな」と思った。言いたいことは分かるんだけどその理由にツッコミどころがあって、ブコメでも叩かれていたのを見て、「正直もう少し言葉は欲しいけれど、そんな叩かれ方するほど主張自体は悪くない」というのと「嫌いなことを書くのは難しいよね」という2つの意味で「残念だな」とて思った。

件の記事に何かを思ったのは良いけれど、書き始めるまでは読んでから1日くらい時間が空いていて、その間にもう少し考えを整理していった。ドラムも音楽もBUMP OF CHICKENも自分の得意な土俵だったのもあって、「元々言いたかった事をかみ砕けないか」「自分はこういう観点を持っているから、こう考える」「音楽に対してモヤっとしがちなこと」あたりのことが何となくまとまったので、書き始めた。

ねらいとやりたかったこと

まず第一に考えたのは、元記事のきゃすさん(id:Cass_9999)は悪者にしないということ。意見の違いでどちらが正しいを決めたいわけではない。意見や考え方の違いがあるのは構わないし、全面的に意見に反対したかったわけでもないし、叩きたいわけでもない。何より、自分が得意な土俵のネタをくれて、普段から考えていることをまとめて書く機会をくれたので感謝しなきゃならない。なので、自分の意見を可能な限りハッキリさせつつ、「だからあなたは(あなたの記事・意見は)ダメなんだ」という結論には絶対にせず、「自分だったらこういうことを書いてほしい」としか言えないなというところまでは考えた。言及の仕方としてはいつか電池がきれるまでのfujiponさん(id:fujipon)やシロクマの屑籠のシロクマ先生(id:p_shirokuma)みたいなイメージでした。

文体を真似て伝え方をいつも以上に工夫してみた。今回のお題目がドラムで普通の人には馴染みがないし、そんなに詳しい人ばかりではない話題だと思ったので、できる限り丁寧に書こうと思った。そんなわけで、普段から丁寧な文章を提供してくれる不倒城のしんざきさん(id:m_shinzaki)みたいなイメージをして書きました。息子さんとのお風呂でのエピソードは今でも心に響いています。前提を用いて余計なことを排除したり、ザックリとポイントをおさえつつディテールに入っていたり、効果的な例を使用したりなんかはまさにこれです。あとは、機械の石橋さん(id:baumkuchen)の自分の語りたいことを素直に語っちゃう感じ。基本ですます調で文章を書くのだけど、端々に言葉が崩れてしまって、その辺が「心の声が漏れちゃう」感じに思えて好きなんですよ。自分がクロスバイクにハマってから自転車関連の記事は記事を読み込ませてもらってますし、奥様のお話最高です。

こう見ると、はてなー全開ですね。

他にも詳しく語りたいけど、詳しくは別記事になっているものは張ったし、段落を使いながら、このように文字を太くして斜め読みをできるようにしたのはいつも通り。これはあくまで自分の体験として、自分が得意じゃない分野のことって気になるけど読み切れないことがあった。だから、ある程度斜め読みして、何を言いたいのか主張のポイントはどこなのかを明確にしたら、ドラムのネタや音楽のネタであっても読んでもらいやすいかなと思ってそうした。本当は段落だけで見出しも太文字もつけないでダラっとした文章が自分の中ではやりたいのだけど、読んでもらうって意味ではなかなか読んでもらいづらくて難しい。文章で魅せる力欲しいです。

最後に「BUMP OF CHICKENとドラマーの上手い下手と好き嫌いと音楽」というタイトルですが、平松愛理の「部屋とYシャツと私」、Mr,Childrenの「友とコーヒーと嘘と胃袋」、河島英五の「酒と泪と男と女」辺りがモチーフです。関係ありそうななさそうな言葉を並べて、それを一本串刺しにするイメージです。実際、テーマがそんなことだったから並べただけと言えばそうかもしれません。

いただいた反応に反応

丁寧な文章や熱量の高さは先述の通り狙い通りです。どの辺に熱量を感じたのかについて、個人的にはもう少し詳しく教えて欲しいです。見えている文字数も9000文字を超えているし、ボリューム満点という点は熱量でしょうか。もやもやが解消された、マウンティングしないとかもそういう意味では狙い通りです。それがきっかけですし、一番気を付けたことでもあるので。ドラマーの例が洋楽に寄ってしまいましたが、ミスチルのJenさん、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTもポイントとして使わせていただきました。

ただ、中立的ではあろうとしましたが、なあなあなところは正直あると思っています。それは元々の考え方が記事でも書いた通りなのです。

音楽くらい各々聴きたいように聴けばいいし、良いと思えればそれでいいじゃない

これです。あんまり音楽が壮大に肩肘を張って聴くもんじゃないと思っているからです。有名な音楽ホールで一流の演奏家を前におめかしして行って聴くのも良し、フェスに行って野外でタオル振り回して踊って聴くもよし、一人で部屋のスピーカーでゆったり聴くもよし、通勤中にiPodで音楽を聴くのも良いんですよ。こうしたら音楽って絶対楽しいって方法を示せてないんですよ。自分はこういう態度でこういう風に音楽を聴いていて楽しいですとしか言えない。「これをやったら誰でも100%楽しめる」じゃない。じゃあ、その方法とか考え方を示せよって思われたら、自分のブログを読んでもらうしかない。音楽を楽しむ多様性を無にせず、どんな音楽をどんな風に楽しんでいるかは割と多めに書いてます。この辺がなあなあです。なので、まだまだ音楽に関することは書いていきたいと思っています。

タイポはあれです、何度か見直しましたが酔っ払いが勢いで書いた文章なのでご容赦いただければ。もちろん、事前に考えはまとめましたけど。あ、そういう熱さだったのかな…

最後に

やっぱり嫌いを書くのは難しいと思いました。ここに共感していただいた方もブコメにちらほら見られました。いつだったか、自分も好きなことだけ書こうと決めて記事にしたことがあったのですが、メインブログを調べたけど出てこなくて。

その数日後に「好きを書く記事ってサブブログじゃねぇ?」って思い出したのでした。

音楽をちゃんと批判するのって難しいなと今回も思いました。特に音楽は好き嫌いの世界なので、どこが嫌いかを説明するのって難しい。もう、理屈じゃなく嫌いな時もあるし、ただただ琴線に触れないなんてことだってある。なので、ちゃんとファンで聴き続けているアーティストの新作を過去の作品と比べてどうかみたいな批判はできるかなと思っています。好きだからこそ言えることが批判になって、それが届くともっといい作品になるといいなと。建設的な批判ってヤツですね。こんな難しいことにも挑戦したいと思いつつ、簡単で書いていて楽しい好きなことばかり書いてしまいます。いずれにしても、源となる「想い」は大事にして文章にしていきたいと思います。